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『でじかめ温泉』
デジタルカメラ,写真についてのコンテンツです。
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シグマ「DP2」に、リコー「LC-1」(自動開閉式レンズキャップ)を取り付ける。


上の写真が、うちの「改造LC-1(リコーGX200用レンズキャップ)を取り付けたDP2」です。

電源を入れると自動的にキャップが開いて「鳩時計」のようにレンズが飛び出し、そのまま撮影することができます。キャップの取り外しの手間をなくして出来るだけシャッターチャンスに強くすること、キャップを落として失くしてしまう心配がないことが、最大の利点です。


製作の際にひとつだけ絶対注意しなければならないことがあって、それは、

「接着剤が完全に乾くまではカメラ(DP2)に取り付けないようにすること」
です。

完全に乾いていないと、接着剤の種類にもよりますが、接着剤が気化するときの影響でレンズのコーティングにダメージを与えることがあります。

DP2本体側の改造は一切要らないので、上記のことを注意すれば、失敗してDP2を傷つけてしまう心配は少ないと思いますので、レンズキャップが煩わしい方はチャレンジする価値があると思います。


自分の場合、運良く外観も綺麗にまとめられましたが、「接着剤を塗る位置と量」が、外観を決めるポイントで、それを接着剤が固まってしまう前に手際よくやらなくてはいけないので、そこが一番難しかった所です。接着剤がはみ出たりとかを気にしなければ、難易度はそれほど高くないと思います。

あと、「LC-1」を極限まで薄く削る作業は、6時間以上は掛かりました。1日では腕の腱鞘炎が必至ですので、何日か掛かりでコツコツとやることになります。紙やすりで削るときに結構音を立てますので、騒音的に夜間での作業はしづらいかもしれません。

それでは、自分が製作したときの流れを以下に書いていきますね。

※【免責事項】このページを参考にして失敗した場合でも、損害賠償などは一切できませんので、自己責任でお願いします。


1.準備

【用意したもの】
・DP2用純正フードアダプタ「HA-21」 1890円
・リコーGX200用自動開閉レンズキャップ「LC-1」 1500円

上記2つとも、量販店や通販で入手できます。(在庫はやや薄気味。価格は自分が買った価格です)

【用意した工具】
・ホビー用細工のこ(オルファ株式会社製。ホビー向けの小さなのこぎり) 840円
・紙やすり 荒仕上げセット(東急ハンズ。40番,80番,120番のセット)を2袋 120円x2袋 ※3袋(40番を3枚)あったほうが万全かもしれません。
・セメダイン スーパーXG 10ml(「超多用途」「強力型」と書いてあるやつです。「XG2」は瞬間型なので「XG」を選択。) 378円

上記3つとも、東急ハンズで購入しました。各所のホームセンターでも同様のものが入手できると思います。
紙やすりについては、あまり詳しくないので、もっと荒いほうが速く削れたりするかもしれません。

接着剤は、瞬間すぎる接着剤は使わないでください。作業している間に固まってしまうのと、接着強度に不安があります。
自分の使った接着剤(セメダイン スーパーXG)は、塗り始めてから2分で固まり始めるので、その2分程度の間に接着作業を終える必要がありました。あせる必要はない感じでしたが、それほど余裕はなかったです。
あと接着剤を選ぶポイントは「硬質プラスチックOK」「凸凹面にもOK」「熱に強い」「固まったときに透明になる」あたりだと思います。

以上、工具を含めて合計で5000円前後で必要なものは全部揃いました。(フードアダプタが高いっす)



2.フードアダプタ(HA-21)を切断する



上の写真の左側がフードアダプタの切断完成形です。
まず、「ホビー用のこぎり(広刃)」で上の写真の薄さよりも2mmぐらい余裕を持った厚さに切断しました。「外周にギザギザが付いている面」の真ん中辺りで切断(ギザギザを半分残す感じ)です。

切断したら、上の完成形の薄さ(内周にある2つのくぼみ丁度のところまで)になるまで、40番の紙やすりで、ひたすらやすり掛けをしました。
やすり掛けは、板や工作ができる机(綺麗な机は、机自体にやすりを引っ掛ける可能性があるので危険)の上に新聞紙等を敷いて、その上に紙やすりを敷いてかつお節を削るかのごとく「フードアダプタを紙やすりにこすりつける感じ」で削っていきます。

削りながら時々外周を確認して、厚い部分があったらそこに少し力を入れて削って、均等な薄さにしていきます。均等になったら、円を描くような感じで削るとまんべんなく削れた気がします。

あとは根気で、2時間程度は掛かかったと思います。



3.LC-1を極限まで薄くする

上の写真の右側がLC-1の削り完成形です。
自分は、「ホビー用のこぎり」しか持っていなかったので、全て紙やすり(40番)で削って上の形まで持って行きました。具体的には、「円の外の出っ張り部分3箇所」が丁度平らになる所まで薄く削ります。ここが最大の時間と根気を要する所でした。うまい人ならフードアダプタの時と同様に「切断した後で紙やすり」のほうが効率がいいかもしれません。

あまり長い時間、やすり掛けを続けすぎると、どんなにかつお節削りの達人の方でも腱鞘炎は免れないと思います。適度な休憩は必ずしてください。

1日に1〜2時間程度、テレビのバラエティ番組など見ながらやることで、何とか飽きずに削りきりました。やってもやってもほんの少しずつしか削れて行かないので、根気が要りました。計6時間以上は掛かかったと思います。



4.フードアダプタとLC-1に最後の仕上げをする

120番の紙やすりを
表面を整える程度に軽く掛けました。40番のやすりで削りたい薄さまで削っていたので、本当に軽くだけ掛けました。
あとは、削った部分の両端(内周&外周)が少しささくれていたので、手で触りながら尖った感じがなくなるように少しやすり掛け(120番)をしました。

以上、フードアダプタとLC-1の両方に上記の仕上げを施して、パーツの準備は全て完了しました。
 


5.接着する前にフードアダプタとLC-1をDP2に当てがってみて動作確認

薄くしたフードアダプタ
をDP2に取り付けます。そして、薄くしたLC-1をフードアダプタに当てがって、LC-1の羽根をふさがないように気をつけながらDP2の電源をオン! 感動の瞬間でした。

LC-1を付ける向きは、好みでどの向きでもいいと思います。自分は、GX200同様に、上に屋根が2枚来るように取り付けました。オプションの光学ファインダーを使う場合は、逆向きのほうが視界に問題がなさそうです。あと、3つの羽根の形(隙間の間隔)にそれぞれ微妙な違いがあって、どの羽根を下に持ってくるかで微妙に外観も変わりました

薄くしたLC-1の内周の「羽根と羽根の間の部分」には、1箇所だけ丸いくぼみがある箇所があります。それを目印にして、向きを覚えておいて接着しました。
自分は、そのくぼみが左下になる向きで取り付けました。(これが自分的に一番バランスのいい外観に感じました)



6.フードアダプタとLC-1を接着

接着する前に、接着する向きを確かめます。
フードアダプタの向きは、外周の丸いポッチが上、「SIGMA JAPAN」のロゴが下、となります。
LC-1の向きは、自由ですが、自分はLC-1の内周の「羽根と羽根の間の部分」の1箇所だけ丸いくぼみがある箇所を左下に持ってくる向きで接着しました。

外観を綺麗に仕上げるには、ここが勝負どころです。

・接着剤を塗り過ぎないで薄く塗る感じで。接着面の内側重視で。
・少しはみ出ても気にしない。自分も少しはみ出ましたが、完全に固まる前に、後から拭き取ればなんとかなりました。拭き取るときに力を入れないように(接着を剥してしまわないように)することは大事です。ある程度固まったら、はみ出た部分を爪で削ることもできました。それで、接着剤で付けた感はなく綺麗に仕上げられたと思います。※接着剤は「セメダイン スーパーXG」を使用。接着剤によって変わると思います。

接着剤の種類にもよりますが、接着剤を塗ってから固まるまでの時間には、制限時間があります。
自分の使った接着剤(スーパーXG)は、塗り始めてから2分ぐらいで固まり始めるので、「接着面全ての箇所塗る→接着する」を2分以内に行うことになります。

ですので、必ずあせってしまうと思ったので、要らないプラスティック(切断したフードアダプタの残骸部分)を利用して、「薄く塗る」&「接着する」の練習(どのくらい塗れば丁度はみ出ないか&きちんと接着できるか)を3,4回試してから本番に臨みました。せっかくの根性で削ったパーツを無駄にしないためにも、必ず練習してから本番に臨んだほうがいいと思います。

接着剤は、ヘラの細いほうの先端に少しずつ(何回かに分けて)接着剤を付けながら塗りました。何回かに分けて接着剤を付ける際に、そのつど接着剤のキャップはすぐに閉める(すぐまた開けるのでねじ込まなくて軽く閉めるだけ)ことは大事です(接着剤が入り口で固まってしまうので)。

そして本番前に、接着面の確認をします。接着剤を付けた箇所は、「LC-1に3箇所」「フードアダプタの内周」です。
下の写真の水色の部分(マウス操作がへたっぴですいません(^^;)になります。



上の写真の水色の箇所は、接着剤を薄く伸ばした状態が水色部分のようになるのが理想です。
左の「フードアダプタの内周」は、面よりも角(かど)のところに塗って少し伸ばす感じで塗りました。

あと、指や衣服に接着剤を付けないように気をつけてください。(万が一、指に付いた場合、すぐお湯でもみ洗えば取れます)

覚悟を決めたら、上の写真のように接着剤を素早く(&あせらず)塗って向きを間違えないように(フードアダプタの上のポッチ部分を基準に)接着します。自分が使った接着剤の場合、接着して押し付けたままで3分ぐらい待ちました。

その後、力を掛けずに拭き取れる箇所の「少しはみ出た接着剤(外側から見える外観部分のみ。内側の見えない部分は接着剤がはみ出た状態でしっかり固まるようにしてください)」をティッシュで拭き取りました。ここで力を掛けると、接着が取れてしまうかもしれない(練習で取れたことがありました)ので、無理してここで拭き取らなくてもいいかもしれません。

ここから1時間ほど置いたら、ほぼ固まるので、わずかにはみ出て固まりかけている接着剤を爪で、あまり力を掛けないように掻き落とし、あまり力を掛けずにティッシュで磨きました。この時点で外観も綺麗になりました。よーくじっと見ると、わずかに接着剤は見えますが、言われてじっと見ない限り接着とはわからない感じに仕上がりました。

あとは、いちはやくDP2に取り付けたいのを我慢して、完全に接着剤が乾くまで24時間安静にしておきます。 接着剤が乾く前にDP2に付けてしまうとレンズにダメージを与えてしまう可能性があるので、必ず完全に乾くまで待ってください


6.実食!!(猪木風)

接着剤が完全に乾いたら、いよいよ実食です。
フードアダプターを取り付けるときと同じ要領で、出来上がった「改造LC-1」をDP2本体にカチっと取り付けます。

そしてDP2の電源を入れます。レンズが「こんにちは」してくれれば成功です。(感動の瞬間でした!)

あとは、実際に撮影に行って、使い心地を実食です。


フラッシュでのケラレについて

「改造LC-1キャップ」を取り付けた状態で、室内で何枚かフラッシュ撮影してみた限りでは、心配していたケラレ(フラッシュ光がキャップの羽根に遮られる)も全く無いようで、普通にフラッシュ撮影も使えそうです。極限までLC-1を薄く削ったのが功を奏したのかもしれません。外部フラッシュでも大丈夫かどうかは、試していません。

キャップの隙間について

LC-1は、キャップが閉まった状態でも、わずかに隙間が開いているので、このまま鞄に放り込むのは埃(ほこり)の進入を考えるとよくないかもしれません。自分は鞄に入れるときはDP2付属のソフトケース(巾着)に入れてから鞄に入れてます。


耐久性について

まだ、自分も「改造LC-1キャップ」を使い始めてから、数日しか経っていないので、耐久性が大丈夫かどうかはまだ不明なところはあります。
DP2本体への大きな負荷はなさそうですし、最近の接着剤は高性能なので、おそらく大丈夫だと思いますが、何か問題が見つかったら、すぐにホームページ(『でじかめ温泉』)でお知らせします。

※【免責事項】このページを参考にして失敗した場合でも、損害賠償などは一切できませんので、自己責任でお願いします。
                                                                                                      2009.5.8更新
 

 

オート現像とカスタム現像の比較


F5.0が一番シャープで色も濃厚に載る。

シグマ「DP2」のF値による画質の変化


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