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『でじかめ温泉』
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シグマ「DP2」のF値による画質の変化。F5.0が一番シャープで色も濃厚に載る。


DP2 (ISO100) 41mm RAW撮影 AUTO現像 (左)F5.0[1/320秒] (右)F7.1[1/160秒]

写真をクリックすると等倍写真(470万画素)を表示します。

手持ち撮影でフレーミングが微妙にずれていますがご勘弁願います。遠距離や近距離も含めて他のシーンでも、数多く撮り比べて、全て同様の画質傾向があることは確認しました。(少ないシーンで傾向を決めてしまうのは危険で、特に手持ち撮影の場合は少しのズレで印象も変わりますし、三脚を使っても風や光の状況などで誤差が出てしまうこともあります)

それでは比較ですが、上の写真のように、実際によく使うサイズに縮小する場合は、F5.0もF7.1も充分な解像で眠い感じは全くありません。では、写真をクリックして等倍サイズの画像を見てください。ピントは右上の鐘の辺りに合わせてあります。等倍サイズで塔を見ると、F5.0(左)のほうがシャキっとした解像感で、等倍でも色解像する「フォビオン」の良さを引き出しているのがわかると思います。

解像自体はF5.0もF7.1も同等にしっかりしているのですが、色の載り方がF5.0のほうが良く(よりこってりと濃く載る)、それがシャキっとしてより透明感のあるように見える要因となっています。

おそらくF5.0で撮影しているときは、フォビオンが「一番良質な光」で受光できている状態である可能性が高そうです。あるいは、F5.0のときに露出の制御やホワイトバランスの制御が一番ベストマッチということも考えられます。どちらにしても、F5.0の絞りで撮影すると濃厚な色載りでシャープに写ることは、間違いなさそうです。わずかな差かもしれませんが、作品として受ける印象は、けっこう変わってきそうな気がします。

上の縮小写真サイズで見ても、F5.0(左)のほうが全体的に色が濃厚に載っていて、空の色にも透明感があることがわかると思います。

一方で、F7.1のように絞って色載りが薄めのほうが合うシーンも時にはありますし、白飛びに関しては同じ光量で撮ると絞れば絞るほど白飛びしづらい(色の載り方がゆっくりなためだと思われます)利点もあります。ただ、F5.0で撮った色の濃い写真は、現像時やレタッチでほとんど劣化なしに色を淡くすることもできます。逆に、F7.1で撮った写真を、現像やレタッチでF5.0と全く同じ色の濃厚さ(&バランス)にするのは難しいです。

こう比較して大げさに書くと、F7.1やそれ以降の絞りすぎは良くない感じに受け取られてしまうかもしれませんが、あくまでも、小さな差であって、より大きな被写界深度が欲しいときや、柔らか味のあるボケにしたいときは、F7.1やそれ以降の絞りによる効果は「この色載りの差以上に大きい」です。そこを考えて撮影するのが面白いところだと思います。


それでは、F5.0より下のF4.5はどうかと言うと、色の載りはF5.0よりも濃く載りますが、レンズのシャープさがF5.0まで絞ったときと比べるとまだ足りず、等倍で比較するとF5.0のほうがシャープです。ですが、よく使う実用サイズまで縮小すると、レンズの甘さがなくなってF5.0よりシャープ感が出ることもあります。

普通のCCDやCMOSと違い、フォビオンは「等倍でも綺麗に写せる構造」ですので、等倍サイズで細かい所を鑑賞したい場合や、A4など大きなサイズで印刷したい場合は、F4.5よりもF5.0で撮影した写真のほうが、よりシャープ(自然なシャープ)な画質で鑑賞できそうです。

参考にF4.5,F5.0,F7.1の比較写真を掲載します。(手ブレしないシャッター速度で慎重に撮りましたが、手持ちですので参考程度で。この傾向が他の多くの写真にも全て当てはまっていたことは確認しています。AUTOで現像しました。パラメータリセット現像でも同様の傾向です。カスタム現像した場合、各写真を似た感じにも持っていけますが、素性のいいF5.0がより良い感じに仕上げられました)

下の花の写真は、中央のピント部分を等倍でトリミングした写真です。花の中央あたりに付着している「鼻くそのようなもの(※おそらく鼻くそではないと思われます)」に注目してみてください。F5.0(右上)で撮ったものが一番クッキリと鼻くそが確認できます。これは、例えば街中を撮影したときも同様で、F5.0で撮ると他の絞りで撮った場合よりも、小さく写った顔の表情が一番良く再現されていることが多いです。

左上がF4.5右上がF5.0左下がF7.1。中央部を等倍からトリミングした写真です。


次の参考写真(切り株)です。上からF4.5,F5.0,F7.1の写真です。

主に、切り株の上の小さな緑の葉っぱの視認性、切り株の濃いこげ茶色部分の濃厚さなどで、違いが出ています。縮小写真で見ると、F4.5が一番色載りが良く、実際の光景(&記憶)に近いです。F7.1は色が薄めなのがわかるかと思います。また、等倍サイズ写真(各写真をクリックすると別ウィンドウで開けます)で見ると、F4.5はF5.0と比べてしまうと解像がゆるいことがわかります。大きなサイズで鑑賞する場合は、F5.0が実際の光景(&記憶)に近いです。「小さい写真サイズをターゲット」にするならばF4.5やもっと開放側で撮った写真がベストにもなり得るかもしれません。「大きなサイズまでターゲット」にするならばF5.0がベストなバランスと思います。
F4.5 [1/250秒]

F5.0 [1/200秒]

F7.1 [1/100秒]
写真をクリックすると等倍写真(470万画素)を表示します。


F5.6F6.3については、F7.1に近い感じです。F5.0と比べると色の載りが薄くなります

あと、DP2本体による個体差なども、もしかしたらあるかもしれません。 自分のDP2でたくさん撮ってみた結果、F5.0で撮るとよりシャープ&自然な色バランスで撮れているので、通常はF5.0での撮影が多くなりそうです。ただ、ボケ部分の柔らかさはF5.0だと、シーンによってまだ硬い(落ち着かない)感じが出ることも多く、ボケが入るシーンではF7.1を多用しています。

光の量が足りずブレそうな場合はF3.2まで下げていきます。DP2は、F3.2でもかなりキレのある高画質だと思います。それでも足りない場合はF2.8を使います。ちょい絞りしたF3.2と比べると落ちる感じですが充分な画質です。

それから、ISO100とISO200の差は結構あると感じたので、ISOを上げていくよりは絞りを開けて(F値を小さくして)いくほうが、画質的には有利に思いました。まだISO200で撮ったものは多くないので、これから色々撮り比べなどもしてみる予定です。

ここまでこだわりたくなってしまうのも、「3層式」のDP2の基本画質が素晴らしいからだと思います。
                                                                                                              2009.5.21更新
  

 


オート現像とカスタム現像の比較


LC-1を取り付けたときに注意した点や、準備した工具などをまとめてみました。
シグマ「DP2」に、リコー「LC-1」(自動開閉式レンズキャップ)を取り付ける。



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